ヒステリーについて

 医学用語としては、とても長い歴史を持っています。ヒポクラテスが活躍していた古代ギリシア時代から使われ、女性の生殖器である子宮(hysteron)(ヒステロン)が生体内を動き回り、その異常や充血などによって様々な病気が起こるとされていました。
 中世は、女性の疾患、特に精神疾患は魔女狩りの対象になるなど、暗黒の時代だったのですが、その時代が明けてからは病気であるという考え方が芽生え、やがてフロイトが神経症としてヒステリーの研究をするようになりました。フロイト自身は中途でこの研究から離れたのですが、その後は別の研究者達が20世紀半ばまでこの研究を引き継いでいます。
 精神医学の歴史を振り返ると、第2次世界大戦後までは、精神分析やこのヒステリー研究が大きな流れでしたが、1950年になって、抗精神病薬(コントミン)が開発されると、一気に生物学的アプローチが精神医学の主流になり、現在に至っています。
 ヒステリーは、現代の精神医学では、その言葉を使わなくなり、
解離性障害(disassociation disorder)という疾患群に変わりました。更に、精神症状を示すものを解離性障害と身体症状を示すものは転換性障害(conversion disorder)に分類しています。原因としては、慢性的なストレスや自分の生命を脅かすような体験などが考えられています。
 この解離性障害には、いくつもの疾患が含まれているのですが、いくつか診断名を記しておきます。

[解離性障害]
解離性健忘 解離性遁走 憑依障害
多重人格(解離性同一性障害)

[転換性障害]
解離性けいれん  解離性知覚麻痺

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