3月のベスト作品 その2

 この3月に読んだ小説で、2番目に良かったのが、「神様のカルテ」(夏川草介著)
です。これも、かつて本屋大賞をとった作品です。たぶん2010年前後です。

 カルテのいう書名が示すように、医療関係の小説です。舞台は松本市の総合病院。
主人公は地域医療に取り組み、同僚の医師や看護師達と、日常の風景を描いたもので
す。地域医療の理想を求めているが、それぞれの人物の個性が上手に描き分けられて
います。また松本市の美しい風景の描写も素適です。

 もちろん理想を追求すればするほど、現実との乖離が大きくなってきます。それを
中間達と一緒に悩みながら仕事を続けていくこと。すべてが、自然な流れの中で進ん
でいきます。

 途中、主人公が主張していた言葉「医師は医師より以前に人間である」というメッ
セーシが全体を貫いています。そして、本人も、ほとんど妻に対して、時間を共有で
きなかったことに気付き、そして家族と地域医療を両立させながら生きていきます。

 作家も現役の医師です。他にも作品がたくさんあるようです。
 個人的な感想としては、少し前の理想的な考え方ながら、医師としての原点と感じ
ました。作品の中で、すべてが自然の流れの中で話が進んでいきます。読後感として
は、さわやかな気分を感じました。

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