現在の職場は、地域密着型の総合病院です。内科、特に呼吸器内科が中心で、慢性疾患の患者さんが多くいらっしゃいます。その中で、僕自身は「心療内科」という看板を揚げています。
およそ10年前には、精神科病院に勤務していました。それで「自分は精神科医だ」という意識を常に持っています。でも、精神科と心療内科とは、どう違うのでしょうか?
今の日本の医療は保険診療制度が基本です。この制度に則って、年度毎に診療報酬が改訂されます。この制度の中で、たとえば入院病床に大きな差があります。精神科の入院病床の診療報酬は、一般の病床と大きく異ります。そして自分の勤務している病院には精神科病床はありません。それで心療内科の看板にしています。
本来の心療内科の考え方は、精神的なストレスが身体症状として現われる疾患を対象としていました。たとえば、十二指腸潰瘍などのように、心身症と呼ばれるような疾患です。しかし日本での心療内科の歴史は、いつのまにか、精神疾患の軽いもの、入院を必要としない精神疾患といった内容に変わってきたようです。
精神科という言葉は、一般の方には、とてもハードルが高く感じられます。どこか閉鎖的で、暗い印象です。それが同じ疾患を持っている患者さんや家族にとって、心療内科という言葉の方が、病院を受診しやすくなる傾向があります。
実際の今の仕事は、こうした精神症状の患者さんもおられますが、実際には、認知症の診察が中心になっています。そして病院に併設してある「認知症疾患医療センター」のセンター長として、その運営を行なっています。
このセンターは、厚労省が全国に500ヶ所の設置を目標にした新オレンジプランに基いて各地に設立されました。およそ地域の人口20万人に1ヶ所設けられています。認知症について、何でも相談できる場所と考えてください。


コメント